藏気法時論―心の病編治療ー

2017/09/18 Mon

階段下のマイ吉君

階段の下はハリーポッターの部屋でしたが、

ここではマイ吉君のボーリングです。

後ろ姿は腰を曲げて一人前のポーズです。(笑)
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前回心の病でしたが、如何でしたか?

この編は講義した事が有りません。

東洋医学を少し勉強された方には、

疑問点が多数出てきたと思います。

実は解説を少し省いているのです。

しかし、誰も指摘して来られません。

中には熟読したいとのメールを頂いた方も居られますので、

このままお待ちしたいと思います。

質問は直接メールでもかまいませんよ。

今回は心の病とは何かを続きを載せます。

(藏気法時論―心の病編―)

心の病(やまい)は

胸中 痛み、脇(わき)支滿(しまん)し、脇下(きょうか)痛み、

膺背(ようはい) 肩甲の間 痛み、兩臂(りょうひ)の内痛む。

虚(きょ)すれば 胸腹 大きく、

脇下(きょうか)と腰より相引(あいひ)きて痛む。

その經(けい)は 少陰(しょういん)と太陽(たいよう)、

舌下(ぜっか)の血ある者を取る。

その変病(へんびょう)は、

郄中(げきちゅう)の 血ある者を取る。

(井案)

心の病です。

流石に痛みが多いようですね。

強い痛みは心が関係していると思っても良いのです。

この場合は

相生関係(助け合う)だけではなく、

相尅関係(敵対)の場合も有ります。

(本文の訳)

心の病の時は、

心のある胸中が痛む。

これは狭心症に当たりそうです。

心の両脇が支え詰まったようになる。

これは動悸や鬱血による肋膜炎、肝腫、脾腫などがあります。

脇の下が痛んで、胸、背、肩甲骨の間が痛む。

両方の上肢の内側が痛む。

これは狭心症の連関痛ですね。

心蔵の異変が手に放散して痛むのです。

これは患者にとっては恐怖を与えます。

詳しくは霊枢の厥病論に載っています。

胸痛の症状により治療法が書かれていますが、

決して胸の直接治療では有りません。

心蔵マッサージは別として、

鍼の治療は全て手足に因るのです。

腰痛も頭痛も同じです。

手足の治療が中心で頚や腰には治療を致しません。

頚や腰の直接に治療すれば、

一時的に治ったかの様ですが、

怖いのは、段々に症状が悪化して行きます。

それは、根本の治療では無いのです。

あくまでも標治療法で、症状に一時的緩和治療なのです。

術者側ですが、直接治療していると、

段々と効果が無くなるのです。

そこで、刺激を強くします。

鍼を深く入れて、しかも抜き刺しするので、

周りの組織を壊す結果に成って行くのです。

すると人は組織の治療の為に細胞を増やします。

その部分は硬くなり、瘢痕状態に成ります。

この様に成ると治療には年単の時間が掛かります。

くれぐれも、この様な硬いコブを作ってはいけません。

心の病の治療に入ります。

虚しますと胸やお腹が大きく成るのです。

脇の下と腰がお互いに引っ張り合って痛むのです。

この経絡は少陰(心・腎)太陽(小腸・膀胱)を取ります。

舌の下の怒脹した血を取るのは、

瘀血(抹消の循環障害)を改善する為ですが、

舌下だけではありません。

下腿で十分に治療出来ます。

その病変は郤中の血を取る。

この郤中は膝裏か陰郤穴かその付近の

刺絡をすると良いのでしょう。
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臓気法事論ー心の病ー

2017/09/13 Wed

今週は台風18号が日本に上陸の可能性が有るとの事
心配です。今年はもう雨は十分ですね。

怪獣好きのマイ吉君
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上野動物園で怪獣の鷲掴みで、

袋に入れてしまいそうです(笑)

(藏気法時論本文)
心の病(やまい)は

愈(い)ゆるは、戊(ぼ)己(き)に在り。

戊己に愈えざれば、壬(じん)癸(き)に死せざれば、

甲乙(こうおつ)に持(じ)し、丙丁(へいてい)に起(た)つ。

(井案)
この様に訳しました。

 心の病と言う者は、

普通は戊己(つちのえ、つちのと)の日に治癒いたします。

戊己に治らなければ壬癸(みずのえ、みずのと)に悪化します。

これば持ち直して、壬癸に死ななければ、

甲乙(きのえ、きのと)に持ちこして、

丙丁に回復いたします。

これは月の単で五行の法則に法って論じています。

次は日の単で論じています。

(藏気法時論本文)
心の病は

日中に慧(さとく)、夜半に甚(はなは)だし、

平旦(へいたん)に靜(しず)かになる。

心は耎(やわ)らかきを欲(ほっ)する。

急(きゅう)に鹹(かん)を食(くら)いて、以って之を耎(やわ)らかくする。

鹹(しおからき)を用(もち)いて、

之(これ)を補(ほ)し、甘(あまさ)は之(これ)を寫(しゃ)す。

(井案)
 心の病は、日中は巳午(シゴ)10時~12時は火に当たります。

火が旺ずる時間の日中は爽やかで気分が良いのですが、

夜間は亥子(ガイシ)23時~1時は水が旺ずる時なので、

悪化するのです。これは水が火を尅すからです。

これも五行の相尅関係に当たるからです。

深夜が心の病の生死を分ける山に成るのですね。

この時間が無事に過ぎて、

平旦は寅卯(インシ)3時~5時頃の夜明けには安静になります。

この心の病は周りの人には、夜間に大騒ぎするので、

本当に人騒がせな病です。

ここで心の病とは何か?です。

人は成長するに従って、腎が旺盛になります。

成人で元気な時は何もない状態ですが、

色々なストレスや病気の為に身体は変化します。

体質も有るのですが、

大体ですが、脈の関係で男は肝虚証に

女性は脾虚証に変化致します。

これは身体の体質や生活環境も左右されます。

更に高齢になると、身体の機能が低下致します。

この状態が腎虚証になるのです。

この腎虚証は若い人のも起きます。

大きな病気の後、不摂生が続く等で起きますが、

普通は夜半に安定し、朝には治るのですが、

治らなく持続するのが問題なのです。

(これは次回の冬の編で載せます)

この状態を普通の状態に戻すのが経絡治療です。

腎虚証の次に訪れるのは心の病になるのです。

心の病は亡くなる前に当たるのです。

よって、夜半に激しくなり、朝方快方に向かうのです。

治療法としては、

 心を柔軟にさせたいのならば、

急いで鹹味の物を食して、軟化させるべきです。

これは不思議ですね。

塩味は心を尅す存在ですが、

この様な場合には、

鹹味の物を用いて心の不足を補います。

心と腎を同時に補う方法が取られるのです。

動物は塩で元気になれます。

金魚でも弱ると少しの塩の入った水に入れると元気になります。

次は甘味を用いて邪気を瀉法致します。

これは、甘味は心からすれば子供に当たります。

甘味は桂枝が代表になります。

桂枝は血管壁を丈夫に致します。

水や栄養の洩れを防止します。

藏氣法時論ー長夏の編ー

2017/09/04 Mon

関東地方は8月下旬に急に寒くなりました。

これは台風15号の影響だそうですが、

西日本では相変わらず残暑で大変なそうです。

この気温の境目にマイ吉君の家に泊まりに行ったのですが、

少し歩くと汗が上着まで染み渡ります。

翌日は涼しくて下着を重ね着して帰りました(笑)

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マイ吉君は二日間、気を使ってか私とよく遊んでくれました。

次の日から幼稚園が始まるそうです。元気で園に行ったかな。


臓気法時論を続けます。

今回は心の病です。
(本文)

病(やまい)心に在(あ)れば.愈(い)ゆること長夏(ちょうか)に在り.

長夏に 愈えざれば.冬に甚(はなは)だし.

冬に 死せざれば.春に 持(じ)し.夏に起(た)つ.

温食(おんしょく)と熱(ねつ)衣(い)を禁ず.

(井案)
 病が心に在れば、長夏(晩夏)に治癒します。

長夏とは晩夏の事で今の夏の土用辺りです。

江戸時代からですが、ウナギを食べる土用の丑の日です。

この心の病を放置して、

長夏に治らなければ、冬(水)に悪化します。

亡くなられる人が多いのでしょう。

冬に死ななければ、春(木)に持ちこし、

夏(火)には回復いたします。

矢張り病気の治療は1年を有します。

治療は焦ってはいけません。

病は気長~に治さなければなりません。

この時の治療では 凄く熱い食事や 熱い服は禁止です。

これを「禁温食熱衣」と言っています。

温食と熱い衣を禁止とは、これは変だ!  と思われましが、

これは誤りではありません。

心は自身が常に熱を持っているから、

外からの熱に弱いのです。

だから、外部からの熱を禁止しているのです。

熱い物を大量に食べて、ブリブリ発汗してみたり、

外部から強制的に温めての発汗は禁止です。

コツは多く温めるのではなく、

少しだけ温めるのです。

例えば暖かい物は少し飲むか食べる事です。

無理矢理に温めて発汗は 反って悪化させるのです。

これも普段から 冷やさないようにするのが重要です。

夏に風邪を引くのは 外気温が高いので、

生体は体温を下げようと大量に発汗します。

それこそ着ている服がビショビショに濡れます。

その時の処理を間違えたのです。

例えば 濡れた服のままクーラーに当たるとかすると、

毛穴が開いた所から(漢方的表現で済みません)

邪が侵入するのです。

その他 身体を急に冷やす等した場合です。

寒く感じた時は既に遅いのです。手遅れです。

また 心は 虚しても 実しても 発熱が 起きるのです。

よって、色体表では心は「香」の働きがあるのです。

体温が高い所からは 香りが発するからです。

体臭や口臭がこれに当たります。

口臭や体臭が強くなったと思われると、

心に変動か病変が 有るからです。

これを感じたら 直ぐに治療しなければ、

1年間も 苦しむことに成るのです。

また身体を温めれば 免疫力がアップすると言われますが、

これは程度の問題です。

無理に温めても、後で発汗して冷えるだけです。

発汗は 体温を 下げようとする 生体の 反応です。

よって、強制的な温めは 無駄と云うよりも 危険です。

傷寒論でも この強制的な 発汗の誤治が

述べられている 部分は 多いのです。

鍼の治療も 同じです。

強い刺激は 無駄に 生体に 傷を 付けるだけです。

鍼治療は 筋肉まで 鍼先を 差し入れるのは 危険です。

皮膚の上だけで 十分なのです。入れてはいけません。

皮膚上の 刺激だけで 生体は 十分に 感知しております。

反応を 強くしたければ、

経絡が 有るのです。体幹部の 痛みや

各症状は 手足の 刺激で 十分なのです。

次回は治療法を述べます。

臓気法時論ー秋編ー

2017/08/29 Tue

夏も終わりに近づき
最近は秋の気配を感じるようになりました。
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マイ吉君も夏の最後の花火に興じています。

(訓読)肺は 秋を主(つかさど)る。

手の太陰(たいいん) 陽明(ようめい) 主(しゅ)治(ち)す。

其の日は庚(こう)辛(しん)。

肺は氣(き)の上逆(じょうぎゃく)に苦しむ。

急(きゅう)に 鹹(しん)を 食して以(も)って 之を泄(せつ)す。

(井案)秋の季節には少し早いですが、
肺の担当の季節は秋です。

作用は手の太陰肺と陽明大腸を主治します。

その日は庚辛(かのえ・かのと)です。

肺は呼吸器系ですので、
病気になれば、咳込みや喘息の様な
下から気が突き上げる症状が出て来ます。

気管や肺の異物を排除しようとしているのですが、
強い咳は人を苦しめます。

しかし、肺の病によく現われる症状に、
咳嗽(ガイソウ)喘息、短気(タンキ・呼吸困難)
上気(ジョウキ・呼吸促迫)少気などが現われます。

これらは肺経が弱り気管支の繊毛の動きも弱くなると、
細かい異物の排泄が困難になり、

これらが気管内に留まり、
この刺激が迷走神経を刺激します。

迷走神経は自律神経の副交感神経です。

これが出ないと経絡治療の本領を発揮できません。

咳では異物を排泄する力が無いので、
何時までも咳が出ています。

更に異物が胚胞まで達すると、
原因不明の肺癌まで進展するのです。

肩甲間部の肺兪の硬結は
気管支からの反射を思ってください。

この様な時は苦味を食して
この気を下方に洩らすのです。

と古典は書いていますが、
これは苦味ではなく鹹味ではないでしょうか。

鹹の味で湿気を吸収か利尿すれば良いのでしょう。

塩っから味の薬物では芒消で
作用は瀉下、懐疑作用があります。
 
鹹味(塩からみ)には
大麦、黒豆、麦茶、栗、漬物、味噌、醤油があります。

鹹味は下剤を意味しているのです。

薬物では下剤の芒消(硫酸ナトリウムNa2SO4)があります。

これらは人には必要なミネラルで、
一般の人では減塩食は考え物です。

日本人では食塩で直ぐに高血圧に成る人は少数派です。

しかし、塩分の取り過ぎが言われていますので、
味覚的に塩っぱい物を考えれば良いのです。

塩を感じるのは相尅関係の苦味です。

塩味と苦味は強調作用が有るので塩味が引き立つのです。

塩味を出したいならば、少しの苦味を足すのです。

なぜ日本人は塩に強いのかと言いますと、
太古の日本列島の人は肉よりも魚を多く食べていました。

魚は早く腐り易いので、
これを塩漬けと酸で保存していました。

よって塩分は必然的に多く取るのです。

しかし、矢張り塩分が気に成る人は
苦味のマグネシウムのバランスを考えれば良いのではと思います。

塩味は食事を一時的に美味しく感じさせます。

それは人には重要なミネラルだからです。

我が町で美味しいので有名なラーメン屋があります。

皆で行くと、パンチの利いた味でしたので、
美味しかったのですが、

皆さんは午後から喉が乾いて水ばかりを飲みました。

余分な塩分を排泄するのです。

味の濃さで塩味を隠していたのです。

皆さんはもう2度と行かない~と言っていましたが、
休日に成ると、その店は相変わらず行列が出来ています。

塩味も慣れて来ると更に塩味を求めるそうです。

師匠が常々
外食は危険です。家で食べるのが一番です。

これは濃い味は危険だし、続けていると飽きてしまう。

薄い味は人にとっては身体には一番だし
飽きなが来ないのですと言われていました。

春の肝の病

2017/08/02 Wed


梅雨明け宣言後雨が多く
各地で酷い水害が続出しています。

先日、神戸に居られる兄弟子に当たる人から電話を貰い
今年の運気論は雨が多く季節が少し遅れ、寒くなるそうです。

寒さは大敵です。
秋には気を付けなければなりません。

マイ吉君はこの暑さの対策では、
赤ちゃんの時の甚平で元気に遊んでいます。
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(甚平姿の写真が載りました。この笑顔で酷暑を乗り切って貰いたい)

藏気方時論は季節が秋、冬になり今に合わないので
飛ばして、その先に進みます。

(訓読)
病 肝に 在れば、
夏に 愈ゆ、夏に 愈えざれば、
秋に 甚だし、秋に 死せざれば、
冬に 持し、春に 起つ、
風に 當たることを 禁ず.

(井案)
これは五行の相生相剋関係に従って
病勢が推移する状況を表しています。

肝は木の性質なので、夏は火で木の子に当たる。
そこで治療するのです。

病を夏に治療をしなかったり、放置したり、
治らなかったりしたならば、

秋は金の性質で木を剋す関係ですから、
悪化するのが分かります。

文中の「持」とは癒えたり、
甚だしく成らずに、病が持続する事です。

冬に成ると、冬は水の性質で木の母ですから、
病は治癒とは成りませんが、小康状態になるのです。

木は自分の肝が盛んになるので、自然に治るのです。
病は1年も経てば自然に治ったのですね。

しかし、これは理想ですので、
実際は春に治療を施すべきで、治り易いと思えば良いのです。

次に養生法です。
普段から、風に当たってはいけません。

「禁當風」風は木で過ぎれば肝を破ります。
注意は、肝の病は夏までに治療して夏に治る。

肝の病は現代の肝臓の病ではないのです。
東洋医学の肝の病で、引き攣れや痙攣の病です。

風に当たってはいけないのは、
春は体温が奪われるからです。

特に子供の夕方も危険なのです。
私の眩暈もこの夏で治さなければいけませんね(笑)

この様に病気は季節によって増悪や緩解を繰り返します。
急いで治さないでも、悪く成ったと気にしないでも、
病気は適切に対処すれば、時期が来れば良く成るのです。
プロフィール

(井案)

Author:(井案)
好漢堂のブログへようこそ!
東洋医学をもっと身近に感じてもらいたいので、
このブログを開きました。
質問を気軽にして頂ければを思います。

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